2017年1月、「大手町パークビルディング」の完成をもって、「大手門タワー・ENEOSビル」「大手センタービル」とともに、大手町ホトリア街区が完成しました。大手町ホトリアのコンセプトや環境との共生に関する取り組みをご紹介します。
「ホトリア」は、皇居外苑濠を意味する「ほとり」と、場所を表す名詞の語尾「ia」が由来であり、「お濠のほとりに豊かな空間を」という意味が込められています。
皇居外苑濠に隣接する大手町ホトリア西側には、約3,000m²もの環境共生型の緑地広場「ホトリア広場」が誕生し、皇居外苑濠の豊かな自然と歴史的景観との調和を生み出しています。皇居の二の丸雑木林を意識した在来種や地域種を主体に構成され、緩やかな傾斜と広場を縦断する水景施設は、人、環境、生きものをつなぐ「交流の森」を創出し、訪れた人に、包み込まれるような感覚を与えてくれます。さらに、事前に生態調査を実施し、皇居周辺に生息する生きものを誘致すべく、生きものの住みかになるような工夫が凝らされています。こうした取り組みが評価され、一般社団法人いきもの共生事業推進協議会(ABINC)の「いきもの共生事業所認証※」(ABINC認証)<都市・SC版>を受けています。
また、ホトリア広場では、生物多様性に配慮した広場として皇居を中心とする生態系ネットワーク(エコロジカルネットワーク)をつなげるための取り組みを継続的に実施しています。植栽管理や外構清掃業務の一環で、発見した生きものをチェックしたり、3×3Lab Futureを拠点に、市民参加型の生きものモニタリングイベントを開催し、開発した「生きものモニタリングツール」を通じて、データを蓄積しており、生物多様性に配慮する都市の成長につながるべく取り組んでいます。
※いきもの共生事業所認証とは
「生物多様性に貢献する環境作り」「生物多様性に配慮した維持管理」「コミュニケーション活動」などの観点で企業の取り組みを評価し認証する制度。
東京都心部随一の豊かな自然を有する皇居外苑は、国内外からの観光客や皇居ランナーなどで賑わう場所です。皇居外苑を構成する、重要な歴史遺産である皇居のお濠は、様々な生きもの住みかであり、都心の貴重な憩いの場ですが、近年、水質の悪化により臭気や景観悪化が問題なっています。そのため、大手町ホトリアでは、立地特性を活かしてお濠の水の浄化に取り組んでいます。大手濠から取水して浄化した水を貯留し、水位の下がる時期に放流することで、日比谷濠に既に設置されている環境省の浄化施設と連携して水質改善に貢献する仕組みで、大手門タワー・ENEOSビルの地下に浄化施設と貯留槽を備えています。浄化施設では、高速(お風呂1杯分のお濠の水を約5秒)で年間約500,000m³もの水量を浄化することができ、アオコなどの浮遊物質を90%以上除去することができます。この施設の運営を通じて、特に大手門周辺の水質改善を図り、皇居外苑の良好な都市環境に寄与し、大手町エリアの魅力を更に高めるべく取り組んでいきます。
大手町ホトリアの大手門タワー・ENEOSビルや大手町パークビルでは、他にも様々な取り組みを実施していますので、以下参考にご覧ください。